萌えと日常を書き殴り。節操なしな阿呆阿呆の日記。
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ふと、
ここが自分にとってとても似つかわしくない場所だと悟った
視界に飛び込んでくるものは
自身の靴以外何もないのだが
不思議と自然にそう思ったのだ
根拠などは全くない
ただひとこと云えるなら
「神の御前だったからだ」
と、しか私には云うことができない
ああ、夢を見ている
と、他人事のように思った
不意に鐘が鳴り
そして、パイプオルガンの音色が空気を焼いた
モーツァルト作 鎮魂歌
そう思ったのもつかの間
見上げると黒塗りの豪華な棺が目に入った
何故死神と呼ばれる私がチャペルなどに
と、思ったりもしたのだが
自身の脳の想像の産物であると決め付けると
心のどこかで微かな必然性を見つけることは難しくない
私以外誰一人として居ない広い空間
感じるのは息づくそれ、ではなく死にゆく息遣いである
そこでようやく私は自身の重い腰をあげた
静寂に響き渡る靴音
馨りたつ薔薇の優美な匂い
視覚に飛び込む絢爛な華の色彩と
無彩色な棺のコントラストが禍々しい
祭壇はそれだけのものを上手い具合にまとめあげ
神々しく、それでいて静かであった
私は魅入られていた
棺を…
あの神々しさを羨んでいた
狂いたつ薔薇を踏みしだき
私は躊躇いもなく
棺に近づき跪いて中を覗き込んだ
「!!」
はっとして目が覚めると
瞳から涙が零れていた
夢を、悪い夢を見た気がした
しかし、どんな夢であったか
どんなに思い出そうとしても思い出せなかった
***
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