痛いなら

【痛いなら痛いって言ってよ、わからないでしょう】


貴方が目を細めるのを見て、些か違和感を覚えた今日
幾度目かの強い抱擁に少しばかり腕の力をゆるめる

貴方が息をついたのが聞こえて
僕のない心臓が跳ねた

どうしてこんなにも愛しいのだろうか
ただ存在しているというだけで
僕はかき乱されてしまう

貴方の愛おしさに比例して
僕はまたじわりじわりと腕の力を強めた

愛しい、愛惜しい
そう思っているのに
後から後から沸き起こるこの感情はなんだ

これを人間は悲しみと呼ぶのだろうか
生きとし生けるものとはなんと強い生き物だろう

僕は、魔族は弱い

だから人間の負の感情なんて喰らうんだ
痛いから、辛いからそれに気付かず
美味なるモノとして喰らう

それに鈍感になった気になっているだけ
快楽にすり替えているだけなんだ


痛い、痛いよ


ぎゅっと貴方が優しく抱きついてくる
そしておももむろに息を吸った

「アンタがいま何を考えてるか私には分んないけどさ」

そう云うとひとつ僕にキスをくれた

「痛いなら痛いって言ってよ、私が聞いてあげるから」

貴方はいつものように笑う
僕にはそれだけで十分だった


***

長めに１０のお題*２（subtle titles）
恥ずかしいぐらい駄作ですね…
とっても久々に書いた小説紛いの散文詞
穴が無くても隠れたい衝動に駆られますよ
でも書いてみたいテーマだったので駄作だろうが満足です
もっと煮詰めて考えてｓｓぐらいにしたいです
これじゃあｓｓｓ通り越してｓｓｓｓですよ（汗）
リナ→ゼロス→感情？愛？みたいな話しですが
解りにくい事この上ない
もっとストレートに伝わるようなｓｓｓ目指したいです
精進精進